平成22年第1回定例議において一般質問に立ちました。質問内容は以下の通りです。
在宅高齢者支援策として新聞販売店、水道・ガス・電気業者、郵便局、牛乳配達店などの事業者と協定を結び、高齢者の見守りネットワークを地域包括センターを中心に構築してはどうか、と訴えました。
これに対し健康福祉局長は、指摘の地域の事業者等との連携を図り、地域ぐるみで高齢者を見守る多角的、重層的なネットワークの形成に努めたい、と答えました。
また、国民健康保険料の収入未納金が仙台市で70億円に上ることを指摘。コンビにでも納付できるようにし、納税者である市民の利便性を図ってはどうか、と提案しました。
財政局長は、収納の電算システム改修に多額の経費を要する問題もあるが、導入に向け検討していきたい、と語りました。このほか、
@特別養護老人ホーム等の増設
AIT技術を使っての独居老人宅支援
B部活動をサポートする外部指導者派遣事業の充実
C仙台牛のマカオ輸出を通し、仙台の魅力の海外への発信などを質問しました。
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以下、質問全文
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在宅高齢者支援について伺います。
先日、私が住んでいる地域において、ひとり暮らしの高齢者の方が、亡くなってから数日後に発見されました。本市では、ひとり暮らしで住んでいる高齢者が、日常生活における不安を解消し、自宅で安心して暮らせるように支援する方法として、緊急通報システムが導入されています。
緊急通報システムを利用実績はどのようになっているのかお伺いします。
また、ひとり暮らし高齢者宅で水道やガス、電気などの公共公益なライフラインが使用されていない状況時に、異常事態などのシグナルを発生することができるような、IT技術を駆使したシステム構築を考えるべきではないかと思いますが、御所見をお伺いします。
本市において、在宅高齢者で日中のひとり暮らし高齢者は年々約千人の割合で増加傾向にあり、平成20年には市内で1万6998人となっています。本市では65歳以上の在宅高齢者を対象に、地区担当民生委員が各戸を訪問し、身体状況などについて聞き取り調査を行っています。
このような在宅高齢者世帯調査状況等を踏まえ、地域において支援が必要な高齢者の方々を対象に、区保健福祉センターをはじめ、社会福祉協議会を中心として「小地域福祉ネットワーク事業」を推進し、交流や仲間作りの場としてサロン活動を実施したりしています。また、訪問、声かけ、電気の消点灯、新聞受けなどの状況といったさりげない見守りをしています。
先般、地域を回り懇談した際に、「ひとり暮らしの近所の高齢者宅で普段閉まっているカーテンが閉まっていないので、何かおかしいと思い行って見ると床に座ったまま何も出来ない状況になっていてびっくりしました。」という話しを、お聞きしました。近隣の見守りにより大事に至らず済んだ事例だと思います。
先日、高齢者見守りに先進的に取り組んでいる東京都目黒区を調査視察してきました。目黒区では高齢者見守りネットワークとして、町内会や社会福祉協議会、そして協力事業者として新聞販売店、電気・ガス事業者、郵便局、牛乳販売店などの皆さんにも協力を頂き、地域の高齢者をゆるやかに見守っていました。見守りの中でちょっと気がかりなことがあれば、地域包括支援センターに連絡し確認する状況になっていました。
本市において今後ひとり暮らしの在宅高齢者が増加していく傾向にあり、一人で孤独死していくケースも考えられるところです。多くの方々による、さりげない見守りを増やし、異常に気づくタイミングを早くすることで大事故を回避できます。
今後、本市も新聞販売店、水道・ガス・電気事業者、郵便局、牛乳販売店などの事業者の皆さんと協定等を結び、協力を頂きながら地域包括支援センターを中心に高齢者の見守りネットワーク構築をすべきと思いますが、市長の御所見をお伺いします。
【答弁】
在宅高齢者支援(緊急通報システムの利用実績/異常事態における通報システムの構築)
このシステムは、ひとり暮らしの高齢者の方が急病などの緊急時に、ボタン一つで消防局または民間警備会社につながるもので、昨年度末の設置台数は4,105台、緊急対応件数が669件となっております。
議員ご指摘のとおり、近年はIT技術を活用した機器も開発されており、より有効な手段としてどのようなものがあるか幅広く研究してまいります。
一方、高齢者の見守り・安否確認については機器の活用だけでなく地域の連携を生かした見守り活動も重要でありますことから、こうした地域での取組みの充実が図られますよう努めてまいりたいと存じます。
在宅高齢者支援(在宅高齢者の見守りネットワーク構築)
高齢化が進行し、地域ではお一人で暮らされる高齢者の方が増えており、こうした方々が孤立することなく、引き続き安心して暮らせる環境を整えることが求められております。
厚生労働省の報告書によれば、高齢化や核家族化の進行などにより孤立した生活が一般的なものとなり、地域社会や行政との関わりを望まない人も増加している状況があるとして、孤独死を防ぐために、日常のさりげない安否確認などが提案されております。
本市では、地域包括支援センターが中心となって、地域の民生委員や町内会、地区社会福祉協議会、ボランティア団体などにご参加いただく「担当圏域包括ケア会議」を開催し、高齢者の方々に対する支援等につきまして、地域ごとにネットワークの形成を図っております。
今後は、こうしたネットワークを中心に、ご指摘の地域のお店や民間事業者との連携を図りながら、地域ぐるみで支援を必要とする高齢者を見守るための、より多角的、重層的なネットワークの形成が図られるよう、支援に努めてまいりたいと存じます。 |